2022-10-26
■◇□□□ ─────【チャイナ!チャイナ!チャイナ!】────────
□□◇□■ CM-RC.comと徐向東の中国マシンガントーク2022年10月27日
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W11の予約速報より ~中国人の買い物レース再開か?~
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中国の共産党大会が終わったら、
すぐに恒例の年末セールのダブルイレブンが始まりました。
今週月曜10月24日夜に、中国のオンラインショッピングの「天猫(Tモール)」では、
ダブルイレブンの予約販売がスタート。
わずか1時間内に、すでに3,000ほどのブランドは昨年(2021年)同期より
売上げ倍増を実現したと報道されています。
特に化粧品やアクセサリーなどの売上げ増が目立っているようです。
中国では、春からずっとロックダウンが続き、夏にも多くの地域でゼロコロナによる
行動制限が強いられ、消費の落ち込みも激しかったが、
今は各地で人やモノの移動が正常化になったため、
抑圧された消費パワーもここにきて一気に放出されるのでしょうか。
今年の年末セールも、ライブ販売が大きく貢献しそうです。今が流行りの
ショートムービーとの相乗効果で、購入を促す効果が高まると予想できます。
6月から半年ほど姿を消した天猫のトップライバーの「オースティン」が、
9月末にこっそりとライブ再開しました。
10月24日夜に、化粧品に絞り込んでライブをしていたが、
一晩で4.5億人が視聴し、292商品を取り上げ、そのうちの95%が化粧品でした。
24日夜オースティンのライブ直後に、SNSには「一晩のライブ売上げ215億元達成」
の書き込みはあったがすぐに削除されました。
天猫は、昨年同様、ライブなどの売上げを公表しないようです。
215億元は大げさだったが、統計会社の推算では
「132億元の売り上げはあったのではないか」と報道されています。
今は円安なので、132億元は2,772億円になるので、やはり大きな売上げです。
復活したオースティンのライブは、明らかに「安全運転」に変わっています。
全体的には控え目になり、「買え!買え!」の連呼が封印され、
化粧品以外のジャンルの商品の取り上げもだいぶ増えるようになっています。
たとえば10月25日夜には、おむつなどの生活商品のライブ販売でしたが、
中ではパナソニックのドライヤ-も取り上げています。そして26日夜は
家電製品、今夜(27日)は家具、28日は育児用品のライブになっています。
かつての「口紅王子」は、「なんでも売る」総合スーパーのトップ販売員に変身を遂げるのでしょうか。
またオースティンのライブで取り上げる商品も、海外ブランドよりも、
中国民族ブランドの割合がさらに増えています。
取り上げられる海外ブランドは、知名度の高いものばかりでした。
実はよくよくみると、有名ブランドは、オースティンのライブでは、さほど特別な優遇価格で提供していません。
たとえばランコムの天猫旗艦店で直接購入するダブルイレブンのセット販売商品を、
オースティンのライブで買っても、価格やおまけなどには大きな差はないのです。
6月の夏セールの時、後半にオースティンのライブがなくなっても、
有名ブランドの売上げがやはり伸びていたので、トップライバーでも、
必要以上の割引を提供する必要がないことが分かったのでしょう。
オースティンのライブでは、しのぎを削って競争するのは、中国の国産ブランドがメインになっています。
また天猫では、オースティン以外の、新しいライバーも注目されています。
昨年は、中国国内の学習塾規制強化で、壊滅寸前に追い込まれた英語塾大手の
「新東方(ニューオリエンタル)」のカリスマ英会話講師が、ショートムービーアプリのドゥイン、
中国国内のティックトックでの、英会話を教えながらの商品ライブが大人気となったが、
今年も天猫でダブルイレブンのライブを始めています。
こうした新興勢力の参戦によって、今年ダブルイレブンの活気がさらに増しています。
昨年のダブルイレブンの売上げは9,520億人民元に達したが、
今年は1兆元を超える可能性が大きくなってきました。
円安が進んでいることもあるので、1兆元は21兆円に相当しています。
日本政府は、物価上昇対応のため、20兆円強の国費を市場に投入すると発表された
ばかりですが、そのような金額がこれからの2~3週間の間に、
中国のオンラインショッピングで売上げとして達成されそうです。
米コンサル大手のベイン・アンド・カンパニーが最近発表した
中国の消費者調査によると、昨年(2021年)は約56%が、
ダブルイレブン期間中に少なくとも3つの通販サイトやアプリで
ショッピングする予定があると答えています。今年はその比率が
約7割近くに上がっています。うち約4割の対象者が「5つ以上の
通販サイトやアプリで買い物したい」と答えています。天猫の1か所だけでなく
買い物する場所がどんどん分散していることがわかります。
日本企業は、コロナの影響で中国市場に対するアプローチがだいぶ滞っていたが、
欧米の有名ブランドは、コロナの3年間も、中国でロイヤリティーの高いユーザー層拡大にずっと注力をしています。
24日からは始まったダブルイレブンの予約販売のランキング一覧表を作成しました。
上の図をご覧になればわかりますが、明らかにどのジャンルにおいても、米中2強が対峙し、
日本、欧州、韓国のブランドが間でポツンと残っているような状況です。
中国ブランドが成長する中でも、
日本製品はやはりきめ細かなモノづくりで独自の優位性を持ち続けています。
中国市場をあきらめるつもりがなければ、ロイヤリティーの高い愛用者層をもっと増やすように、
不断の努力をけっして滞ってはいけません。
ダブルイレブンの時に有名ライバーに頼み込んでも引き受けてもらえないような、
中国人に無名なブランドではなく、有名ライバーが自ら進んでライブしたいと声を
かけてくれるような、中国人の愛用者の多いブランドになるように頑張りましょう。
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