「医薬品の越境ECが河南省で実験的に始める。」中国の専門家が解説

2021-05-15

5月12日中国政府国務院が河南省で医薬品越境EC実験開始を認可。期間は3年。対象は中国で市販されている13の非処方箋薬。(中国政府国務院は、まだ医薬品の越境ECに慎重であるが、ただし、医薬品の越境EC実験は、河南省は初めてではない。2019年12月30日に、北京の医薬品越境ECもすでに国家薬品管理監督総局の許可を得ている。これは中国初の越境EC)。 

■医薬品越境ECの河南省実験の内容は? 

国務院が許可した河南省の医薬品越境ECの要点として、「中華人民共和国薬品管理法」に依拠し、現在の法・制度の中で展開する。
薬品種類:13の非処方薬。税収管理:通関時には、越境EC小売り輸入商品の1回の輸入金額5000元以内、年度内の個人越境EC購入額が限度額の2.6万元以内であれば、関税はまず0%、輸入増値税と消費税は法で定められた納税額の70%で徴収。
実験期間:3年
(注:中国はいつも先に一部地域で限定的に試行、その後必ず地域が拡大、時間が延長)
現在、実験対象となる13の非処方箋薬の具体的な状況についてはまだ論証中。

河南省医薬品と医療器械越境EC実験は3年。4つの段階となる。第1段階、国内で市販されている非処方箋薬で、越境EC正面清単(許可リスト)に入っていないもの。第1段階では主に消費者がよく見かけて購入する海外のヘルスケア類製品。 

第2段階、海外で市販され、国内で市販されていない非処方箋薬。第3段階、国内で市販されている海外の処方箋薬。第4段階、法律法規に従って医療機構が臨床で必要とされる応急薬品で、中国国内では未登録だが、臨床緊急需要に使われる海外でも市販されていない処方薬。 

■医薬品越境EC実験の本質:OTCと医療器械の許可リストの制限を突破すること 

中国現在の越境EC許可リストには、薬品のリストは極めて少ない。テープ、コットン、カーゼー、ジェルなどわずか「どうでもいい」製品だ。医療器械は、すべて「医療器械管理に従い除外される」と記されており、ほとんど許可リストから排除されている。今回河南省での医薬品越境EC実験の本質は、既存のOTCと医療器械許可リストの制限を突破するころである。 

越境ECの許可リストを突破するには、2つのルートしかない。ルート1は許可リストを拡充する。現在の薬品と医療器械のリストを増やすこと。しかし、これは中央官庁の会議、許可などが必要で時間が長いし、伝統的な貿易や国内医薬企業への衝撃も大きい、管理の難度も上がる。もう1つのルートは、実験(試行)。 

■なぜ河南省が実験(試行)場所として選ばれた、次はどこ? 

河南省は中国の内陸、沿海ではないが、この地域の人たちは大胆、他人より先に行動をとる。また人口数が大きく消費市場の潜在力が大きい。ここ3年間、河南省の省都・鄭州市の越境EC取引額はずっと25%増で拡大、今年2021年第一四半期では取引額は270億元で43%成長している。世界のECの物流センターになりつつある。 

また河南省は新しい越境ECの発生地でもある。たとえばECの保税輸入モデル、および「ネット購入+オフライン受取」モデル、等々はいずれも鄭州が率先して試みを始め、そして中国の越境ECの管理方式に大きな影響を与えたわけだ。今回も中央政府の許可が下りる前に、河南省はすでに中国初の医薬品と医療器械の越境ECを試み始めていた。河南省に「ネット購入+オフライン受取」の越境ECモデルがあるため、海外の医薬品をオンラインで買ってすぐオフラインで受け取ることができる。 

現在、医薬品越境ECの実験はすでに北京や河南省でできている。華北、華中と海南島自由貿易港も医療旅行(メディアカルツーリズム)と越境医療を始めている。次は華南地域でも実験ができそうだ。 

今回の河南省の実験は、以前の越境ECのように試行都市や実験区だけに止まるのではなく、河南省全域の越境ECの小売り輸入をやっている地域と場所にすべてカバーする。 

■海外の医薬品企業は、いかに越境ECを通して中国市場に入ることができるか?

一、中国政府が発表する予定の医薬品許可リストに注目し、なるべく自社商品がそのリストに入れるように努める。

二、中国の越境ECで販売に必要な資質を取得し、なるべく中国で代理販売会社を見つけ、越境EC旗艦店などを立ち上げ、正規に通関できる対中国の販売を始める。 

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参考情報源:
https://www.bilibili.com/read/cv11275828

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