2021-05-07
中国もGW(ゴールデンウィーク)が終わったばかりで、下記にて中国のGWの旅行データとそれに基づく簡単な分析をまとめてみました。良ければぜひご参考ください↓↓↓
中国政府「文化旅游部」(日本の文部省と観光庁をまとめたような官庁)の統計によると、2021年5月1日からのゴールデンウィークの間に、中国の国内観光旅行は延べ2.3億人となり、昨年同期より119.7%増。コロナ前(おそらく2019年)の同期比103.2%のレベルに回復している(すなわちほとんどコロナ前と同水準に戻っている)。国内旅行収入は1132.3億元(約1兆9130億円、1元=16.89円)、昨年同期比138.1%増、コロナ前(2019年)同期の77%の水準に回復している。
また、中国の旅行予約最大手のC-tripの発表では、今年ゴールデンウィーク同社の旅行予約は去年同期より 270%増、2019 年同期よりも 30%増えている。
C-tripの旅行予約データをみると、今年のゴールデンウィークの間に、飛行機の運行路線が一番多いのは
すなわち、中国では旅行需要が一番旺盛なのは、北京、上海、広州、深セン+成都の4大都市であることが分かる。
観光スポットの中で、一番人気だったのは
注:頤和園、円明園と拙政園は、いずれも清の皇帝の宮殿
このリストを見ると、中国人の国内旅行はやはり歴史上の名勝旧跡、そして動物園のようなところ。唯一、ディズニーランドはレジャー施設に当たります。
日本のレジャー施設に関しも、中国人に有名なのは東京のディズニや大阪のUSJぐらい。日本の観光スポットも、中国人向けに知名度の向上を図る課題があるのはいうまでもない。
同じくC-tripのデータですが、今年ゴールデンウィークの間、観光客の受け入れ人数が一番大きいのは成都市で延べ1850.5万人、人数では2位(1688.9万人)の上海では、ゴールデンウィークの間の観光収入(主に宿泊や観光施設の予約料金、買物が含まれていない)が一番大きく、成都の倍以上の約400億元(約6758億円)を実現している。広州も1084万人の観光客を受け入れています。
上海、成都、広州のような大都市では、他の地域に旅行にいく観光客も多いが、ゴールデンウィークのような旅行シーズンには、市の常住人口に相当する規模の観光客も受け入れていることが分かります。
総じて言いますと、やはり北京、上海、広州、深センの4大都市に加えて内陸の消費都市の代表としての成都、この5大都市の旅行ニーズは一番高いことが分かります。
コロナ後のインバウンドを見据えて日本は、まずこうした中国の観光ニーズの高い重点都市へのアプローチに力を入れると同時に、中国国内では、最大人気の旅行都市は上海や成都そして広州のような大都市であることを考えると、コロナの後もやはりまず東京や大阪そして札幌、京都のような都市に中国人観光客が一番多く集まりそうであることを、念頭におきながら今後の中国向けの情報発信などを進めていくべきですね。