2017-04-13
1)サード騒動は中国で猛進する韓国化粧品にどう影響するか?
2)「爆買い」の後に、中国人の日本商品に対する見方・買い方はどう変わるか?
~~独自調査結果発表の5月連休後セミナー開催お知らせ
米軍のサード(ミサイル防衛システム)配備を受け入れた韓国に対して、中国は猛反発し、サード配置に土地を提供した韓国のロッテ・グループは、真っ先にやり玉に挙げられ、中国での一部の店舗閉鎖も余儀なくされています。実は、ここ数年、韓国企業は中国に対する依存度が年々強まっています。2015年末に韓国化粧品最大手のアモーレパシフィック傘下の「雪花秀(ソルファス)」は初めて1兆ウォン(約1千億円)の売上を突破し、大きな話題となった。昨年(2016年)末には、同じアモーレパシフィック傘下のInnisfree(イニスフリー)、そしてLG傘下のWhooも相次ぎ1兆ウォン(約1千億円)を突破しました。韓国化粧品は好調のようにみえるが、背後にあるのは中国市場への積極的な売り込みです。
昨年(2016年)中国大陸と香港への輸出は、韓国化粧品輸出総額の67.3%も占めています。2番目の輸出先のアメリカへの輸出額は全体の8.3%しかないのだから、韓国化粧品がどれほど中国市場に売り込んで急成長しているのかは、一目瞭然です。韓国化粧品企業は、日本の同業者より、中国市場の動きに敏感です。ここ数年は一番伸びている中国のネット通販分野に相当な力を入れています。中国の化粧品ネット通販の5割はローカルブランド。韓国は、洗顔、フェイスマスク、化粧水、乳液、BBクリーム、リップクリーム、シャンプ・リンスそしてボディソープなどのスキンケア分野において、中国のネット通販の11%以上のシェアを占めていると言われます。
中国電子商務研究センターによると、2016年韓国の越境ECの輸出額が82%増の2.2825兆フォンだが、そのうちの78.4%は対中国の輸出だ。つまり韓国の化粧品は越境ECを活用して、中国にどんどん売り込んでいるのです。
ところで、サード騒動によって中韓関係が一変。ネット上に、韓国化粧品の不買運動を呼びかける人もそれなりにいるが、今のところはほとんど内陸部の人です。豊な沿海部の女性消費者は、政治よりも自分の生活を優先しています。
しかし、韓国化粧品は決して安泰ではないです。中国政府の国家品質監督検査検疫総局(AQSIQ)は先日、2016年11月の検査結果を発表しました。その中、19品目ほどの韓国の有名化粧品ブランドに対して、中国輸入禁止令を出したのです。
輸入禁止令が出た後、店頭では韓国化粧品の欠品が相次ぎ報告されています。こうなれば中国の消費者も使い慣れた韓国化粧品から、他の商品に移さざるを得ないです。中国人は一般的に、韓国化粧品よりは日本化粧品をもっと高く評価しています。
しかし、中国市場に売り込む勢いにおいては、日本企業は韓国企業に後塵を拝しています。サード騒動が鎮静化すれば、韓国化粧品が中国でさらに成長を続けることも容易に想像できます。日本企業は、この中韓の「揉め事」をただ傍観するのではなく、韓国化粧品の中国市場での健闘ぶりから学びながら、中国でシェアを広げるチャンスを掴むべきことはいうまでもないです。
~~独自調査結果発表の5月連休後セミナー開催お知らせ
弊社が直近の3月末に北京、上海、広州で日本商品を購入した中国人をターゲットにアンケート調査を実施しました。この最新の調査結果に、最近の日本商品の中国でのヒット事例を交えて皆さんに報告したいと思っています。
そして皆様とともに、これからの中国(人)市場にどのようにアプローチしていくべきか、についても一緒に考えたいと思います。
いつもと同じスタイルですが、異なる業界の方が一同に侃々諤々とフランクに情報交換できればと思います。
連休明けの週の5月10日(水)、11日(木)午後14時から約2時間、日本橋久松町の弊社(5F会議室)で開催します。
今は5月11日にはわずかの残席、そして5月10日にはまだ参加枠が残っていますので、皆様のお申込みをお待ちいたしております。