2015-04-23
日本への中国人観光客が増加し、中国人による日本商品の『爆買い』と呼ばれる現象が、連日、さまざまなメディアで報道されるようになりました。では中国人観光客は、どこで買いたい日本商品を知るのでしょう??
この情報源についての疑問を解明するために調べていくと、中国で多くの人に使われているSNS(ソーシャルネットワークサービス)の「微博(WEIBO)」というミニブログと「微信(WeChat)」というチャット、そして、「百度(Baidu)」という中国最大の検索サイトに行き当たります。
中国人が日本の商品を知り、購入するまでの流れは、中国国内でも日本へ観光に来たときでも、だいたい同じようです。
①商品を知るきっかけ
イベントなどで直接知る場合もありますが、多くは友人・知人からのクチコミで日本の商品を知ります。特に中国で利用者が多いSNS「微博(WEIBO)」「微信(WeChat)」からのクチコミをみて、商品を知ることが多いようです。「微博(WEIBO)」はfacebookとtwittterを合わせたようなミニブログ。「微信(WeChat)」はLINEのようなチャットサービスです。中国ではfacebookやLINEは無く、代わりにこれらのSNSがとても流行っています。
②商品の検索
SNSのクチコミをみて商品に興味をもつと、次に検索サイトで商品の詳細な情報や、購入できる店舗を探します。中国ではGoogleやYahoo!が無く、代わりに中国最大の検索サイト「百度(Baidu)」が使われることが多いようです。
③情報のストック
検索してみつけた情報は忘れないように、URLを自分の携帯メールに送信したり、SNSの「お気に入り」機能に記録します。
④商品の購入
「お気に入り」機能に記録した情報を見ながら、欲しい日本商品を探します。みなさんは、日本で中国人観光客が、スマートフォンを片手に買い物をしている姿を よく見かけませんか?あれは、SNSに記録した情報を見ながら、目当ての商品を探しているのです。
⑤商品の感想
目当ての商品を購入すると、欲しかった商品を手に入れた喜びや、商品を使った感想などを自分の開設している「微博」や「微信」のアカウントへアップします。これをみた人が商品を知り、再び「①商品を知るきっかけ」からのサイクルを繰り返します。これが、多くの中国人が日本の商品を買うときの典型的な流れです。
こうした流れが分かると、中国でよく使われるSNS「微信(WeChat)」「微博(WEIBO)」、中国最大の検索サイト「百度(Baidu)」の中で、日本の商品がどのように扱われているかを調べれば、知りたい商品の人気度合がわかります。具体的には、我々がよく行う方法として、「微博」「微信」「百度」において、知りたい商品がどれくらい興味をもたれているのか検索数や閲読数を調べます。また、「微博」「微信」などSNS上に掲載されている、消費者が投稿した商品に関する記事の中から人気のものを取り出し、その内容や見せ方などの特徴を分析すると、今後、中国人向けの販促施策を考える上で、とても役に立つ情報を得ることができます。
弊社、CMRC(中国市場戦略研究所)では、中国のSNSや検索サイトで特定の商品の人気度を調べる際、一種類の商品名だけを検索することはしません。なぜなら、中国ではひとつの商品でも、複数の呼称がある場合があるからです。メーカーが正式に命名した商品名の他に、中国の生活者の間で独自に名付けられた愛称(ニックネームのようなもの)がつけられており、それが正式名称よりも一般化している場合があります。弊社では、検索サイトやECサイト、弊社上海スタッフやその家族、友人や知人へヒアリングをして、こうした呼称を調べた上で、商品の正式名称の他に、中国人の間で多く使われている呼称についても、調査を進めます。
以上の中国人に人気の日本商品を調べることは、弊社のサービスとしても実施しています。ご興味のある方は、以下をご覧ください。