ユニクロの踊る中国スマホ大捜査線

2014-03-05

■中国で大人気の「微信」とは?

「微信」をご存知ですか?中国語読みはウェイシン、英語名はWe Chat。今、中国で最も人気のスマホ用のチャットアプリです。運営しているのは中国大手IT企業の「騰訊(テンセント)」。中国版Lineといえば分かりやすいが、
実は音声、動画、画像、文字を使っていつでもどこでも情報発信と情報交換ができる優れものです。ユーザー数も、2011年に提供が開始されて以降、たった2年程度で、全世界で6億人にもなりました。今や、企業から中国の消費者へのアプローチには、この「微信」の活用が必要不可欠となっています。

中国で今、最も人気の高い日本ブランドといえば、やはりユニクロでしょう。弊社が2013年に日経産業地域研究所と共同実施した「中国での日本ブランドの認知・浸透調査」では、ユニクロが中国でかなり高い認知・浸透を得ていることが分かりました。

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(詳しくは「日経消費インサイト2013年5月号」ご参照)その背景には、「微信」が大きく関係しているようです。

■日系他社より一足先に微信を始めたユニクロ

ユニクロは他の日系企業より一歩先に、上手に微信を使ったコミュニケーションを展開しています。ユニクロは、2012年7月に中国で微信公式アカウントを開始しました。フォロアーを集めるために、これまでの人気SNSである

「新浪微博(ミニブログ)」や「人人網」で告知したほか、 ユニクロの実店舗に、微信IDの二次元コードを刷ったポスターも貼りました。来店客はスマホでその二次元バーコードを読み取るだけで、ユニクロの微信フォロアーになることができます。また、フォロアーになれば、ヘッドホンなど各種景品が抽選でもらえる特典も用意しました。まずはこのようにして、短期間に微信フォロアーを増やしたようです。

■「消費者の変化は、ネット上だけではない。

リアルな現場でも起こってるんだ!」昨年(2013年)5月に、ユニクロは新たな微信キャンペーンを展開しました。ユニクロの、微信の公式アカウントからメッセージを発信し、それを受け取ったフォロアーは、店頭に行ってそのメッセージを見せれば、10%オフの割引でユニクロ商品を買うことができるというものです。このキャンペーンは、フォロアーのリツイートによって情報が拡散し、フォロアーの数がさらに拡大しました。また、昨年(2013年)のクリスマスに、微信を使ってのプレゼントキャンペーンも実施しました。同社の微信のフォロアーになり、「LUCKY」という文字を送信するだけで、キャンペーンサイトにアクセスができます。そして、携帯電話の番号あるいはメールアドレスを入力すれば、キャンペーンに参加することができます。このキャンペーンは一人あたり一日に3回アクセスできますが、友人・知人にシェアすれば、さらにアクセスできるチャンスが増えるという仕組みも取り入れました。加えて、用意した景品は、ユニクロのネットショップでそのまま買い物ができる電子商品券や、ユニクロの実店舗で使える10%割引の商品券、そして、ヒートテック肌着等々と盛りだくさんでした。これらのキャンペーンによって、

スマホアプリ(微信)と、ネットショップ、そしてリアル店舗を見事に結びつけることができたと言えます。「微信」を活用してファンや来店客、そして売り上げを増やしたわけです。

■中国の消費者ともっと上手に

コミュニケーションを中国のスマホユーザーはすでに5億人を超えています。今年はさらに倍増するほどの勢いで増えると言われています。ネットコミュニケーションは、急速にパソコンからスマホに移行しています。中国のスマホユーザーはすでに5億人を超えています。今年はさらに倍増するほどの勢いで増えると思われます。ネットコミュニケーションも、急速にパソコンからスマホに移行しています。そうなると、中国人の「微信」への依存はますます深まるでしょう。こうした時代の変化をいち早く掴んだユニクロに学び、中国の消費者と、もっと上手にコミュニケーションを取ることが重要です。弊社も最大限、皆様をサポートさせていただきます。

        (中国市場戦略研究所上海現地 程利寧)

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