いよいよ始める中国の次のステージとは?

2013-06-27

習近平・李克強が進める中国の「都市化」をどう活かすか?
~いよいよ中国の次のステージへ

日本では各地で梅雨に入り、ジメジメした毎日ですね。今回はそんないやな気分を吹き飛ばす、中国の最新情報をお届けします。

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■中国の初出店ラッシュは今、何処に?

  少し時は遡りますが、今年の3月に日本では“初出店”ニュースが話題になりましよね。島根県でスターバックスが初出店、また四国でセブン-イレブンが初出店しました。多くのヒトが店に押しかけ、スターバックスでは長蛇の列ができたなどSNSで盛り上がりをみせました。  現在、中国でもそんな“初出店”ラッシュが続いています。その背景にあるのが習近平・李克強体制の目玉政策である“城鎮化 (都市化)”です。中国の人気ポータルサイト“新浪(sina)”のビジネスページでは都市化特集ページが開設され、都市化に関するニュースが毎日のように更新されています。  市場も都市化の動向を注意深く見守っています。例えば、日本の国会にあたる今年3月の全人代で都市化に関する議論が行われるとすぐ、セメント等の建材関係株が急騰しました。日本の建築建材メーカーもぜひこの千載一遇のチャンスを掴んでほしいものです。

■次のステージは“ヒト”中心の都市化

  現在はインフラや建設などの“箱モノ”中心の都市化ですが、インフラ等が整い、新たな産業を生み出すことが出来れば、そこに住む人達の生活水準も向上するはずです。そして次のステージ、“ヒト”中心の都市化へと進みます。
北京・上海などの1級都市では“美容・健康・ファッション”などへの関心が高いですが、今後都市化が進むにつれて、4級,5級など内陸中小都市へもニーズが拡大していきます。全人代の記者会見でも、李克強首相は「新型都市化は人を核とした都市化である」と強調しました。“箱モノ”から“ヒト”への都市化にも大きなビジネスチャンスが眠っているのです。  今回はそんな“ヒト”都市化に注目した、アメリカ最大のGMS・ウォルマートのビジネス展開例をご紹介します。

■これからの狙いは4級~5級都市

  河北省三河市、四川省巴中市という都市をご存知でしょうか。三河市にイオンモールが出店しているのでご存知の方がいるかもしれません。都市の規模を簡単に説明すると、三河市の人口は約60万人、巴中市は約350万人です。
ちなみに、首都北京の人口は約2,000万人で1級都市、急成長の重慶は人口約3,000万人で2級都市。ですから三河市と巴中市は中国ではまさに4級~5級都市と呼ばれる小さな都市だということです。  ウォルマートは今年1月に三河市に、3月には巴中市に立て続けに出店しました。なぜこんな小さな都市に出店したのかと思われるかもしれませんが、両都市とも意外にあなどれない都市なんです。河北省三河市は北京と天津の中間に位置し、大都市へのアクセスが便利でもあります。ここの都市化が更に進み、交通網などが整備されれば、将来は北京と天津を結ぶ重要都市に成長するかもしれません。四川省巴中市は四川省と陝西省の境界に位置する都市。

この都市の2012年GDP増加率は前年度比で13.9%と急速に成長しています。 

■中国進出は「点」から「面」へ

  中国の沿海部だけをみていると、市場が飽和して伸び悩んでいるように見えるが、内陸の中小都市は育ち盛りなので潜在力が大きい。嗅覚が鋭いウォルマートはもうすでに4級~5級都市にも手を伸ばし始めています。良質の食材などを提供することで、たちまち良い暮らしを求める地方の中国人の心掴んでしまいます。こうして中国の“ヒト”都市化がさらに加速していくわけです。

さらにウォルマートの戦略を見てもわかるのですが、ただ単純に4級~5級都市を選んでいるわけではないんです、その都市の周辺環境や経済潜在力を見極めて進出しています。外国企業が中国市場戦略を考える際に、「上海に進出したい」や「成都に進出したい」などの“点”で考えがちですが、これからは、都市化が進むにつれて、中心都市とその周辺都市を含めた“面”として捉える戦略が必要とされてきます。

そこで、弊社は中国を“8大経済圏”という面で捉える考え方を提唱しています。この8大経済圏の詳細については、近いうちに弊社自主セミナーを開催しお話させていただく予定ですのでお楽しみに。

                       (中国市場戦略研究所 福島岳)

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