2011-06-14
ブギウギ・チャイナ・オンライン～CMRC（中国市場戦略研究所）メールマガジン
2011年6月14日発行
～CMRCにご興味いただいた方々に中国市場開拓の最先端情報をお届けいたします～
index
1.中国人消費者の原発事故への反応
2.弊社の最新中国ビジネスセミナーと書籍情報
★上海人はなぜいま、日本の輸入食品を買わないのか？
上海の弊社調査会場では、毎週末調査を行っています。最近は調査後に必ず一言、「あなたはいま、日本からの輸入食品や化粧品などを買っていますか？」と質問するようにしています。残念ながら、一番多い答えは、「今のところは買わないようしている」とのことです。
弊社が実施している調査は依頼主が日系企業であることが多いため、調査に協力してくれる消費者のほとんどは、これまで日本製品をこよなく愛し買っていた人たちです。しかし、そんな彼らでさえ、大部分の人が「今は日本の輸入食品や化粧品をなるべく買わないようにしている」と言います。その理由はいうまでもなく原発事故にあります。彼らの答えは非常にはっきりしています。
彼らが警戒しているのは、「地震後に生産された日本の食品や化粧品」なのです。彼らは「少なくとも『福島第一原発の放射能漏れ事故が完全に収束した』というニュースが出ない限りは、安全のために日本産食品、化粧品は買わないほうが良いだろう」と答えています。
★中国の一般消費者は日本の地理を知らない
しかし、原発が起きているのはあくまでも一つの地域。「日本のそれ以外の地域の物でも本当に買わないのですか？」と聞くと、「やはり尻込みする」と彼らは言います。理由を聞くと「風向きや水の流れによって、原発による汚染は他の地域にも及ぶだろう」とのことでした。一般的に中国人は、日本の地理に詳しくありません。日本の地名と聞かれても、「北海道」、「東京」、「大阪」、「富士山（富士山は地名ではないのですが）」以外はほとんど知らないのが普通です。ですから福島県が日本のどこにあって、原発事故の影響が一体どこまで及ぶのか彼らに分かってもらうのは、とても難しいのです。
★日本からのニュースを読むとますます心配に
今日も、中国のどこかのメディアは、福島原発事故について報道しているでしょう。原発事故から3ヶ月が経った今になって「実は事故当時1号機ではすでにメルトダウン（炉心溶解）していた」と政府が認めたニュースは、日頃からニュースを信じない中国人にとっては「やはり」という思いですし、その後の内閣不信任案や菅首相退陣をめぐるドタバタ政争劇には、頼りなさを感じます。日本から流れてくるニュースを読んでいる中国の消費者は、果たして原発事故の収束を楽観視できるのでしょうか。
★中国に出向いて自ら安心・安全をアピールしよう
さて今週は、昨年私たちのもとで上海で観光誘致イベントを実施した日本の自治体のトップが訪中し、訪日旅行アピールに尽力しておられます。弊社社員も現地旅行会社との面会などの下準備に走りまわっています。いまや、日本企業の多くは、業績や利益を中国頼みにしている時代です。もはや政府に頼るのではなく、企業や地方自治体が自ら、積極的に中国に出向き、自らの製品や観光資源の安全・安心を懸命にアピールするべきでしょう。そのような努力をする企業としない企業は、来年3月の決算期で業績の明暗が分かれるのではないかと、いま思っています。（アズマ）
◆6月22日(水) 13:00～17:00主婦会館 中国流通最新動向セミナー開催。
http://www.marken.co.jp/marken_seminar/2011/06/post_307.shtml
◆6月30日に東洋経済新報社から新著『中国人にネットで売る！』が発売。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/ABB06398/
◆7月19日に丸の内オアゾ日経特別ビジネスセミナー「中国ビジネス展開の秘訣を
探る」で中国における最新販売・マーケティングの実相と課題、解決策」について講演。
http://www.nikkei-nbs.com/nbs/chugokubusiness/program-01.html#seminar-1
最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
今後も、中国ビジネスの現場からの生の声を皆さんにお届けします。
次号をお楽しみに！
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