朝日新聞に弊社・徐の新しい著書「中国人に売る時代」の書評が掲載

2009-12-06

■戦略再構築が必要な日本企業

世界銀行によると今年の日米欧のGDPは5800億ドル減少し、中国は4500億ドル増加する見通しである。中国が日米欧の経済縮小の4分の3を補うという。

急拡大を見せる中国の内需をとらえることは、日本企業にとって重要だ。しかし、中国市場では世界の企業が激烈な競争を展開している。欧米よりもはるかに距離が近いという「地の利」があり、製品の品質も優れていながら、中国の消費者に食い込めず悩んでいる日本企業は多い。

本書は中国の消費市場の構造を様々な視点から分析。多数の企業の成功例、失敗例を解説している。中国を理解する上で有益な情報が多く含まれていると思われる。

広大な中国は、地域によって消費者の嗜好(しこう)が異なる。著者は「流行志向」と「伝統志向」、「おおらかな気質」と「きめ細かな気質」という評価軸で都市を4分類している。また、「新中間層世代」(30~45歳)、「80後世代」(20~29歳)などの世代分析も興味深い。

現在、中国では、韓国勢が家電に加え、ファッション、食品市場でも快進撃を見せている。一方、中国のコミュニケーション専門家は「日本企業のやり方は真面目(まじめ)だが、物語性がないから人を感動させる力がない」と指摘している。中国の消費者の心をよりつかんでいくには、戦略を再構築する必要があるようだ。[評者]加藤出(エコノミスト)

詳しくはこちらへ http://book.asahi.com/business/TKY200912080224.html


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