2009-03-19
1月の新車販売の好調に続き、2月に中国の乗用車販売がさらに伸びている。中国汽車工業協会によれば、2月に中国の自動車生産台数は80.79万台で前月より22.96%増、昨年同期より23.08%増を実現。販売台数は82.76万台で前月より12.43%増、昨年同期より24.72%増を実現した。対して、金融危機の影響が大きい米国の2月の自動車販売台数は68.9万台で昨年同期より41.3%減となった。
中国2月の新車販売台数トップ10の車種(括弧内は販売台数)は下記の通り:
カローラ(15122)、(ビュイック)エクセ(14586)、F3(14242)、ELANTRA悦動(13887)、QQ (12754)、ジェッタ(12586)、夏利(11967)、サンタナ(11901)、エラントラ(10777)、自由艦(9694)(データ:中国汽車工業協会)。このトップ10車種の中、F3〔メーカー:比亜迪(BYD)〕、QQ〔メーカー:奇瑞(Chery)〕、夏利〔メーカー:天津一汽夏利〕と自由艦〔メーカー:吉利(ジーリー)〕は、中国国内メーカーの自主ブランド。中国汽車工業協会助理秘書長朱一平によれば、中国メーカー自主ブランドが売れているのは排気量1600CC以下の車種で、中国政府が1月20日からは排気量1600cc以下の取得税を5%に半減したことの影響が大きい。ただし、排気量の低い乗用車の分野において、参入企業と車種が多いため、市場競争が激しく、トップ10入りの企業も油断できない状況である。(参考:広州日報2009年03月16日等)
3.■中国大手:欧州企業買収
3月7日から中国政府商務部が率いる代表団が北京から欧州向けに出発した。代表団は中国海運、杭州工作機械、上工申貝など48社ほどの中国の大手企業や金融機関からなっており、主な目的は欧州企業の買収である。同代表団はすでにドイツの化学業界リーディングカンパニーBASFなどと2億ユーロほどの投資プロジェクトを合意している。次にはスイス、スペイン、イギリスなどの国での商談を予定している(参考:経済観察報3月18日)。
中国商務部は、コカ・コーラの中国国内飲料大手企業「匯源果汁」の買収に関して、中国の飲料市場の競争に不利な影響を与えるおそれがあるとして、中国の「独占禁止法」に基づき、同買収を許可しない決定を下した。
これは、中国の「独占禁止法」が去年8月1日実施以来、初の買収禁止令である(参考:中国政府商務部のウェブサイト3月18日発表)。
「中国家電メーカー「格力((グリー)電器」会長朱江洪が4千万元の年俸を獲得」というニュースが、3月18日中国各紙紙面で大きな話題を呼んだ。Forbes2009年の世界富豪ランキングのなか、52人の中国人が入っており、中国はアジアでは新興富裕層の増加が最も著しい地域となっている。上海経済誌「胡潤百富(Hurun Report)」によれば、中国の「富豪(リーチ)」層の年平均消費額は2百万元である。そのほとんどが贅沢品(高級ブランド)に費やしている。今年末に中国での贅沢品(高級ブランド)消費額は世界全体の25%を占め、贅沢品の消費額は86億ドルになると見込まれる(参考:台湾「工商時報」3月18日)。
世界的な経済危機の影響を受けて、中国では1500万から2000万人の出稼ぎ労働者が仕事を失う危機に見舞われているが、実は、今年の大学卒業生にとっても就職情勢が厳しい。昨年、中国ではすでに100万人の大学生が就職できなかった問題が発生したが、今年に新たに600万人の大学新卒者の就職問題が控えている。上海では大学新卒者の就職面接会が毎週のように行われており、上海平安保険公司の人事によれば、以前では4人の求人に対して多くても40~50人の応募者しかないが、今は、毎回100人ほどの応募者が殺到している(参考:Deutsche Welle、多維新聞網3月18日)。