中国市場戦略研究所

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インバウンド市場で活躍する中国人バイヤー

2019-02-07

■最近のインバウンド市場

最近、いくつかの日系企業から、

インバウンドの売上が少し減ってきたという相談を受けます。

よく聞いてみると大阪圏の店舗で起きていることが多いようです。

この原因を考えるにあたって、そもそもインバウンド市場を形成している人たちは

どのような人たちか?についてまずは整理してみましょう。


インバウンドは、中国からの観光客が日本で買い物をしている市場と思いがちですが、

実は売上の多くは転売を目的で購買をする中国人の代理購入者、

いわゆるバイヤーたちにより成り立っています。


このバイヤーたちは、売買の仕方で大きく2つのタイプがあります。

ひとつは日本に在住して商品を購入し大陸中国の人へ転売しているタイプ。

もうひとつが、旅行客に混じり来日して商品を購入し転売しているタイプです。


面白いことに、これらのバイヤーは東京圏と大阪圏で違いがみられます。

東京は日本在住の中国人バイヤーが多くいるのですが、

大阪には中国から旅行客に混ざって来日し商品を買う旅行者型バイヤーが多い傾向があります。


東京に日本在住の中国人バイヤーが多い理由は後で述べますが、

大阪に旅行者型バイヤーが多いのは、成田や羽田に比べて関西空港のほうが、

中国の主要空港からの航空運賃が安く日本へ来やすいという点と、

心斎橋周辺はドラッグストアや百貨店が集まっていて効率的に買物ができる点から、

日中間を行き来する旅行者型バイヤーにとっては便利なためです。


昨年の末頃から、この大阪に集まっていた旅行者型バイヤーたちが、

航空運賃の値上がりや、中国側の空港で手荷物が一部検査から全数検査へと厳しく変わったことから、

中国内にもつ倉庫の在庫処分を優先し始めた模様です。


また、先日某デパートの人に、これまで中国人に売れていた定番品の売上が

少し落ちて来たという話を聞きました。

2015年から3年間続いてきた中国人の爆買いですが、

中国の消費者が日本の爆買定番品に少し飽きてきた状況も

バイヤーが在庫処分を優先し始めたことと関係しているようです。


こうしたことが、大阪圏のインバウンド売上に影響を与えていると私どもは推察しています。

但し、これまで売れていた定番商品のすべてが落ちて来たわけではありません。

例えば、クレ・ド・ポー ボーテやSK?は相変わらず人気です。

これらは年末にクリスマス限定バージョンが出るなど新しい情報が出て市場へ刺激を与え続けています。

一方で、何年間もパッケージに変化がなく、中身も変わっていない商品や、

あまりSNS上などで情報を見なくなった商品が飽きられてきているようです。

市場へ継続的に新しい情報を出し、消費者の関心を高める活動の重要さを感じます。


■バイヤーの売り方の変化  

以前は、EC上でアリババ傘下のC2Cサイトである淘宝(タオバオ)で店を構えて、

商品を転売しているバイヤーが多かったのですが、最近はこの売り方に変化が出ています。


淘宝での売買は、バイヤーが掲載した商品をお客さんが見て興味をもち、

購入したいという意向をバイヤーへ伝え商談が成立しますが、

そのバイヤーとお客さんの商談はEC店舗上ではなくチャットでのやりとりになります

例えば「もっと安くならないか」「この型で違う色のものはあるか」「サイズはあるか」・・・等々。


淘宝にはこうしたお客さんとのやりとりをするために

「阿里旺旺(アリワンワン)」というチャットソフトが標準装備されていますが、

ほとんどの淘宝出店者はこれを使っていません。

お客さんとの商談で使われているのは「微信wechat」です。


「微信」=wechat、日本ではウィーチャットと呼ぶ人が多いですが、

中国13億人のうち7億人が使っているといわれるチャットツールで、中国版LINEのようなものです。

普及率が非常に高いチャットアプリのため、

バイヤーを含む淘宝出店者の多くは、

お客さんとのコミュニケーションにこのチャットツールを使っています。

こうした淘宝の店舗で商品を掲載し、

それを見て興味をもったお客さんと微信で商談するというスタイルが、

少し前までのバイヤーの典型的な売り方、商談方法でした。


それが最近では次のように変わってきています。


淘宝などEC上に店舗を構えることは、

申請作業やフォーマットに沿った商品写真のアップ手続き、

それにともなう費用や手間が面倒です。

今年からはEC法(電商法)も動き出したので、店舗をもち正式にオーナー登録すれば税金だって取られます。

だったら自分とこれまでやりとりのあったお客さんとは微信でつながっていることだし、

淘宝の店舗といってもECサイト上に商品の写真が並んでいるだけのことなので、

この代わりに微信の中のモーメンツというタイムラインのような機能で商品の写真をアップするほうが手軽だし、これをお店代わりにして、そのまま微信の中でお客さんとコミュニケーションをとり

商売をするほうが効率的・・・
このように考え、微信の中だけで顧客とのやりとりをすべてやってしまうバイヤーが増えたのです。

今年1月に施行されたEC法(電商法)では、
ネット上で商売をしている人は経営主体として登録が必要、としています。
会社でいえばきちんと登記しましょうという内容です。
こうすることで国としては、これまでうまく取れていなかった税金をうまく管理できるようになるからです。
しかし、この法律は商売する上で店舗をもっていることが前提(当たり前)という発想から作られており、
現在増えているチャットだけで完結する無店舗商売をしているバイヤーのやり方は想定外なのです。
以前のメルマガで、弊社ではEC法自体がインバウンド市場に与える影響は少ない、と書きました。
その理由は、この微信だけで完結するビジネスモデルが、
インバウンド市場の多くを形成しているバイヤーの主流な商売方法になっている現実があるためです。

※次回へつづく。
今回は文章が長くなったので、2週に分けてお送りさせていただきます。

 


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