中国市場戦略研究所

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来年の電商法施行によるインバウンドへの影響は?

2018-10-12

1)電商法とは?

中国で来年1月1日から施行される電子商取引法(電商法)について、 弊社への問合せが増えています。この法律の施行により、インバウンド の売上が激減するのではないか、とった内容です。

では、この電商法とはどのようなものでしょう。 おおまかには、これまで個人でネット上で商売をしていた人に対し、 商売をやるには事業登録をするように!ということです。 例えば、タオバオ(淘宝)などでこれまで身分証明書だけでお店を出して いた個人に対し、これからは事業登録して法人化して税金をきちんと 納めましょう、という法律です。

中国政府がこのようにする背景には、中国は不動産バブルが鎮静化しつつあり、 また米中貿易摩擦や人民元安により米国からの輸入コスト高などから経済成長 が鈍化した場合に備えて、税収を増やし安定させたいという意図があると思います。

電子商取引とは少し異なりますが、最近、ファンビンビンという有名女優の 脱税の処分がニュースになりました。この内容と広がる速さをみても、 税の徴収について中国政府は神経をとがらせているように思います。

また、中国政府はネット上の取引が盛んになった現状において、まだ専用の 法律がないため、電子商取引についてなんらかの指針を示したい、という 意図もあるようです。

2)中国国内の反応は?

この法律について、中国国内の反応はどのようでしょうか。  中国のC2Cショッピングサイトを運営する業界がこの法律の実施に反対の声をあげています。

一方、B2Cのショッピングサイトやチャットなどの即時コミュニケーションの業者は 特に何も言わない状況です。

C2Cモデルは基本的に個人が出店する形式のため、こうした人たちは、これまで 身分証明書だけで店を出せていましたが、今後は事業登録し法人化して(経営主体になり)、 税金をきちんと払わなければ店を運営することができなくなります。そうすると 店舗を閉じる人が出てきたり、新規の出店が減少するのは想像に難くありません。 そのため、C2Cショッピングサイトの運営業者にとってこの法律はウェルカムじゃないのは当然です。

3)インバウンドへの影響は?

では、弊社へお問合せされた方々がご心配されているように、この法律の施行により インバウンドの売上は激減するのでしょうか。

結論から言いますと、短期的にはほとんど影響はないというのが弊社の考えです。

この法律が対象としているのは電子商ビジネスの経営者であって「個人間零細取引者」 は対象としないとあります。

インバウンドの売上の多くをつくっているのは代理購入者=ソーシャルバイヤーと 呼ばれる人々で、ほとんどは個人で活動しています(主婦や学生など時間に余裕のある 人が多いようです)。

こうした個人の取引が「「零細」になるかどうかが問題となりますが、この「零細取引」 の定義が明記されていないのです。

つまり、現状「個人間零細取引」と「法人取引」の境目は不明確なのです。 「うちは零細取引だー」と主張すれば本法律の適用外になる可能性がある、あいまい な内容です。

おそらくこれまでの中国における法律の導入方法からみて、まずはおおまかな法律を 動かしてみて、事例が溜まるごとに法律を詳細化していく=細則をつくっていく、 のだと思います。その過程で「零細取引」の定義も整えていくのでしょう。

法律の専門家のなかには、1か月間の商品取引が2万元(34万円)を超えれば 中国でいう増値税を払うべき足切りラインを超えるので、零細取引の範囲を超える と判断できる、と言う人がいます。

仮にこの考え方から「零細取引」を判断しても現実的な問題があります。 それは、ソーシャルバイヤーは自分の顧客と商売の話をWechat(微信)を介したチャット でおこなうことがほとんどであり、ショップも持たない人が多く、チャットを介した 取引はその金額を第三者が把握することは難しいということです。   この場合、取引額は自己申告になることが予想されるため、少しでも税払いを減らし 利ザヤを増やしたい代理購入者たちは、かなりの額の商売をしていても取引額を 低めに申告して「個人間零細取引」を装い、今回の法律を逃れる動きをとるでしょう。

申告内容を当局が深く追及するにしても、このようなかたちで数千万人ともいわれる 個人間取引がネットショップの形ももたずに盛んにおこなわれている現状では、 すべての個人取引者をチェックするのは現実的に極めて困難と思われます。  

長期的な影響については、中国はしばしば法律やその施行時期が変わるため、 正直なところ分かりません。

日本企業をサポートする弊社としては、来年施行される電子商取引法が事業登録しない人 を逆に増やしてしまい、そのなかに悪質な行為をおこなう人が入り込み、 日本商品の偽物が増えてしまわないように祈るばかりです。


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